真夜中に毛玉を数えただけのお話
(※こちら、オモコロ杯用の記事でしたが、顔写真のみ削除して残しております。)
はじめまして、隣人EXと申します。
突然ですがみなさん、もう衣替えは終わりましたか?
私は最近の微妙な気温についていけず、迷いに迷った挙句肘開きニットをヘビロテしています。
こちらforever21さんで購入したものなのですが、微妙な温度の季節の変わり目に役に立つことはもちろん
とにかく肘をいつでも保湿できるため、お勧めです。
又、英語を覚えられない人でも、肘だけで会話をして仲良くなることも可能!
LINEのスタンプ機能のように、花粉症持ちのマスクマンでも瞬間的に感情表現できるのも嬉しいですよね。
と、タンスをひっくり返していたところ……
これは…
これはやばい。
大量の毛玉が張り付いたカーディガンです。
いくら多少の若いおなごブランドがあるとはいえ、こんな大量の毛玉に囲まれていては冬に大遅刻した薄汚ねぇ雪男と間違われること間違いなしです。
一淑女を目指すもの、こんなことでは一生お嫁に行ける気がしませんので、とりあえず数えながら毛玉を取っていきましょう。
さて、
数を数えて行くわけですが、布団の上ではあまりにも見えづらすぎたため、
このようにスケッチブックに並べて数えていきます。
(こちら、10ずつの毛玉です。)
なんか気持ち悪いタイプの赤血球みたいな形をしてますが、こちら列記とした毛玉です。
因みに今回ですが、元の色でない色が多少なりとも入っているものは毛玉と見なして徹底的に排除していきます。
また、厳正に計上するため、今回BGMは無しとして、集中して望む所存です。
現在夜中の2時です。
と、
そうこう言っている間に完成しました。100毛玉
初めて100の毛玉が作れると、やはり感動しますね。
生まれた小鹿が足を震わせながらやっと立ち上げるのを見た時と同じ心境になりました。
あれよあれよという間に
300
しかし
400を超えたあたりで1つ目の壁に激突しました。その名もフェイク毛玉です。
こいつがかなり厄介で、繊維がとりわけややこしく絡み合っているせいで引っ張ってもビクともしません。
こいつですね。
こやつらは私と同じくあらゆる端を好む傾向にあるようで、ボタン付近、袖口などに多く生息しております。
毛玉を取ればとるほど大物がいるとかなりテンションが上がるようになるんですが、こいつらはそんなテンションをガリガリと削っていく、いわば毛玉取り界のメンタルクラッシャーです。
あとだいぶ前から気づき始めてはいたんですが、毛玉って取ると繊維が引っ張られて、どうしても出っ張りができるわけです。
その為慎重な作業が必要になる上、なんと言いますか
代わり映えがない
もう純粋にその一言です。写真で見ると若干は違うかもしれないんですが、目視だとマジでちゃんと取り除けているのかさえ分からない。
現在地点とゴール地点が見えない戦いというのは、辛いものですね。
それから関係ないですが、私はハウスダストやカビのアレルギー持ちのため、この服を引っ張り出した時からくしゃみが止まりません。
辛いものですね。
そして長い戦いは続き……
………
……
1000!!!
1000となると、やはり風格が違いますね。かなりインスタ映えが狙える気がします。
恐らくこれを学校めがけて投げれば、ドラえもんの桃太郎印の団子よろしく女子高生が押しかけてくるに違いありません。
しかししかし、さらに
1200を超えたあたりで、さらに大きな壁が立ちはだかりました。
目立つ毛玉を大まかとり終えてしまったのです。
毛玉を探す時間もプラスされ、大幅なタイムロスが発生してきます。
もうここからは完全なる
「己との戦い」
どこまで行けば納得できるのかも分からぬまま、進めてゆきます。
一昔前、鏡に向かって「お前は誰だ」と問うと気が狂うという話がありましたが、
そんなにお手軽に狂気をデリバリーしようとするな。
と、今まさに思っています。
例えば試しに行き交う通行人全員にお前は誰だ、と言い続ければそれは既に狂人でしょう。
そして牢獄の中でその人は真っ当な人生を送るか、それともさらなる狂人になるかの選択肢をするわけです。
まぁどちらになったにせよ、毛玉の個数を数えることは無いでしょう。
ところで先程から隣の部屋のカップルが「海行こっか!笑」などと話していて、投身自殺でもする気なのかと思いました。
その後もカップルの楽しげな会話と笑い声は続きます。
壁をへだてて、かたやカップルで憩いのひと時を過ごし、かたや静寂の中で毛玉を数える処女。
私たち、何が違ったんでしょうね……と伏せ目がちにつぶやく前に、
カップルは楽しげにお風呂へ入りだしますが、私は黙々と作業を進めていきます。
あぁ、カップルのうち1人が急に成長期を迎えて換気扇に頭を突っ込みませんでしょうか……。
因みにうちの換気扇はたまに謎の茶色い汁が垂れてくることで有名です。
きっとお風呂から出る頃にはファンシーなきりんさん模様になっているに違いありません。
まぁそんなどうしようもない状況になっても、多分毛玉の数は数えないでしょう。
できたと思って裏返すと、布団の毛玉がつくなどという地味な妨害を受けながら、
それらの毛玉は計上せず、
えっっ
もしかして……
……
ついに!!!!!
完成しました!これが21歳女カーディガンの毛玉の数!!
2,252
めちゃくちゃ感動しました、なんだろうこの、
もう、やばい
before
after
爪の奥から地味な鈍痛…見てみると写真に残すほどでもない絶妙な戦いの証が。
いやはや、如何でしたでしょうか。
毛玉は、いわば服にとっては顔の皺に相当するものだと思います。
確かに邪魔なように思われるかもしれませんが、それを含めてファッションとする時代が来ても良いのではないか、と思いますね。
とにかくこんな不毛なことはもうやめましょう。
毛玉取りだけに…ねっっっっ!!!!!!!!!
だははは
あはは
うふふ…
おひょぽ
…
自分の味を生かして、ハッピーライフを。
おわり
因みにこちらの完成した毛玉は、以前知り合った留学中謎のアメリカ人
(祖父が検索すると嘘みたいにでっかい顔写真で映ったHP出てくる有名なキリスト教の牧師)
トムへ
「Japanese style present!ほんの気持ちです」
と書いてクール便で郵送してあげました。